ラインハルト×ヒルダの皇帝夫妻中心です。 ほのぼの、ベタ甘系で私のドリームワールドな展開になっているので キルヒアイスは生存してます。でも、出番は少ないです。 その他、男女のカップリングがあるかもしれませんが ラインハルトの眼前で手を振って見せるが反応が無い。 「どうしよう」 十数分後に再起動を始めたラインハルトは二人を祝福するとヒルダを二人の結婚式の責任者に指名する。 「ハンスもハイネセンに残留してキルヒアイス元帥を補佐する様に」 妄想泥棒のブログ(銀英伝・ハガレン二次創作小説とマンガ・読書・間宮祥太朗ドラマ感想) 旧名「給料泥棒のブログ」を2014年7月に変更。 銀英伝ヒルダ視点による大河もどき小説を書いてましたが150話をもって完結。ハガレン小説も全86話で完結済。 結論だ、原作のラインハルトに止めを刺したのは、ヒルダの料理だと思うぞ。 この料理見たらそうとしか思えないぞ。それともアンネローゼに習って直ったのかな。 政治向きな女性だからそのままで行った可能性が高いんだけどね。 ラインハルトの遠回しの欠席の要望はヒルダの正論の前に玉砕した。その時、執務室の扉の向こうから声がした。 「ええい。皇帝陛下の直訴は邪魔してはならん決まりだろ!」 「それはそうですが!」 ラインハルトとヒルダには声の主に聞き覚えがあった。 ジークカイザー!ラインハルトさま戴冠式!即位おめでとうございます(だらだら長文注意!) (06/22) ノイエラント行幸にヒルダちゃんを連れて行けないラインハルトさまの心理描写漫画(?) (05/19) お知らせ&ノイエ劇場版に関してあれこれ (05/19) ラインハルトの策略は、時に好戦的で、ヒルダさんと意見がぶつかるシーンは全編に渡ってよく出てくるのですが、初めては4巻。 ヒルダさんの厳しい視線を無視できず、わざわざ人を下げて話をするなん … まずはラインハルトを入院させると以前から気に食わなかった接収したホテルのオーナーを強引な別件逮捕による令状無しの捜査で塀の中に送り込んだ後にハイネセンの病院の入院患者を調べさせる。, その間に、ハイネセンの大火になるゼッフル粒子発生装置の探索を始めるが、無聊を託っているビッテンフェルトを「都市伝説」を理由に冗談半分で誘ったら乗って来たので二人で噂の場所に探検してゼッフル粒子発生装置を発見する。, 何時、誤作動しても不思議では無い状態だった為に慌てながらも同盟政府に通報するが既に五十年の年月を経過しており持ち主の会社は倒産して当事者は無く何処にどれだけの数量が有るかも分からずに帝国軍も協力して撤去作業をする事になった。, ラインハルトが検査入院中にラインハルトの代行をしながら帝国の本土からの書類に目を通して決済しなければならない。, 幸いにもヒルダが鬼気迫る勢いで書類を処理してくれるのでキルヒアイスも助かっている。, ラインハルトは退院後も暫くは通院する事を医師から指示されているのでキルヒアイスも忙しいままである。, そして、ヤン夫妻が新婚旅行から帰ってきた時にラインハルトはヤン夫妻との晩餐会を開いた。, 出席者は帝国側はラインハルト、キルヒアイス、アンネローゼ、ヒルダ、ハンス。ヤン夫妻側はユリアンとシェーンコップである。, 最初、ラインハルトは自身とキルヒアイスとハンスにヤン夫妻だけの少人数での晩餐会を考えていたのだが、ハンスが女性がフレデリカ一人だとフレデリカが困ると言ってアンネローゼとヒルダも追加したのだが帝国側が多くなり過ぎたのでユリアンとシェーンコップを追加したのである。, 晩餐会はハンスの僻みから始まり一同を呆れさせていたが意外な事にヒルダがハンスに応戦をした。, 「あら、大将閣下も今は姉君を大事にしてますけど、恋人が出来たら姉の事など無関心になるのでは?」, 「あら、そんなもの何ですか。私はユリアンには何時までも姉離れして欲しく有りませんけど」, 「バーミリオンの時の新型のミサイルには驚いた。まさか、卿がハードウェアに頼るとは予想もしてなかった」, 「イゼルローン要塞に赴任していた時に口の悪い部下が私の事を良く言って給料泥棒とか言いますからね。給料分の仕事をしないと思いまして」, 「大将閣下にお世話になったハインリッヒですが入院中に看護婦と恋仲になった様なんです!」, ハンスが弟代表としてヒルダを宥める事になる。宥められるヒルダにしてはハンスの言う事は理性は理解しているが感情が追いつかない。, ヒルダの反応を見てフレデリカもユリアンを横目で見る。一人っ子のフレデリカにしてはみればユリアンは弟の様な存在でユリアンに恋人が出来た時の自分の反応に自信がない。, 実際に実弟の立場のラインハルトは姉から姉離れが出来ないと言われて、こちらも理性では理解しても感情が追いつかない状態である。, 「まあ、真面目な話をするとキルヒアイス元帥に弁務官をして貰う事になりますが何か留意する点はありますか?」, ハンスが真面目な話をヤンにふる。ヤンも突如として真面目な話に表情を変えて真面目に話をする。, 「同盟の場合は大企業が政治家に政治献金して自分達に都合が良い法を作らせています。そこが一番の問題点ですね」, 不正を嫌うラインハルトにしては大人しい意見であるのは自身の立場を考慮しての事である。, ヤンにしたら帝国軍の手を借りる事に忸怩たる思いがあるが国の財政が逼迫している時に一部の者に富を独占させるわけにはいかない。, ラインハルトの脳裏ではロイエンタールとキルヒアイスの二人が弁務官の候補としているがハンスもオーベルシュタインもロイエンタールの弁務官を却下している。, ハンスは裕福な貴族出身のロイエンタールでは行政問題に対して最下層の人間まで目が届かないと言っている。最下層出身のハンスが言うのだから間違いは無いと思える。, オーベルシュタインはロイエンタールには帝都にて軍部を掌握して貰わないと困るとも言っていた。, 「ふむ。ヤン元帥。ハンスの言う通りにキルヒアイスにはハイネセンで弁務官職をして貰うべきか?」, 「それは同盟市民として人望のあるキルヒアイス元帥に弁務官を務めて貰うと安心でしょう」, ハンスの言葉に何か帝都本土に仕事を残していると一同が思うのは当然の成り行きであった。, 「はい。元帥閣下としてでは無く、男としてアンネローゼ様を忘れてますよ。女性を待たせるのは感心しませんな」, フレデリカがハンスの援護射撃をした。フレデリカにはキルヒアイスとアンネローゼの関係は分からないがハンスの言葉は女性の本音である。, ヒルダもハンスの援護射撃を始める。ヒルダの場合は後でラインハルトに恨まれるかもしれないリスクがあるにも関わらずには勇気がいる発言であった。, キルヒアイスが万感の想いを込めてプロポーズをするとアンネローゼが小さく頷いて返事をする。, 皆が祝福していた時にハンスが結婚式の事をラインハルトに相談する為に顔を向けると絶句してしまった。, 十数分後に再起動を始めたラインハルトは二人を祝福するとヒルダを二人の結婚式の責任者に指名する。, その場に居た全員の感想である。元同盟人のハンスに補佐をさせる事は適材適所であるが大義名分を借りたラインハルトの意趣返しなのは明白であった。, キルヒアイスを焚き付けてアンネローゼと結婚させた事をラインハルトが面白く思う筈がない。, ハンスが抗議もせずに命令を受け入れた事は最初から覚悟があっての事と全員が思ったのだが、まさかの展開が待っていたのである。. ヒルダはともかく他のラインハルトに味方した貴族達は当てが外れたと思ったんじゃないかと思う。 不満も持っただろう。 彼らはリップシュタット戦役が権力闘争だけでは無く階級闘争でも有る事を軽視した、或いは認識していなかったと思う。 「帰らないで欲しい、、今夜は一人でいることに堪えられそうにないのだ、、余をひとりにしないでくれ、、」 そう苦しそうに話す皇帝ラインハルトにヒルダは驚いた。 良家の子女にそう望む事は皇帝なら出来る。 ヒルダが恥じらいから思わずうつむいてしまうのに、ラインハルトはやや焦りと苛立ちをこめつつ追い求めるように… 銀英伝二次創作 皇妃ヒルダ 82 | 妄想泥棒のブログ(銀英伝・ハガレン二次創作小説とマンガ・読書・間宮祥太朗ドラマ感想) 新帝国歴003年、皇帝ラインハルトは、ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフを皇妃にすると発表した。 ヒルダの中に宿った小さな生命は、ローエングラム王朝の平和と繁栄の象徴だった。 宇宙の覇者の婚礼を祝う盛大な歓声の中で挙げられた結婚式の途中、「ハイネセンで暴動」の報がもたらされた! さらに航路データが消去される事件。 背後にはルビンスキーの影が・・・。 荘厳なるスペース・オペラ、堂々の完結編! ラインハルトは、ヒルダが自ら自分のもとへ赴いてくれたという事実に、大変な自信と勇気を得ており、完全にブレーキの効かない状態にあった。 これまでは、自分が相手に勝手に強いているのではないかという不安が払拭できずにいたが、今夜は違うぞ。 ラインハルトが通信室から居間に戻ると、ヒルダは暖炉の前のソファでうたた寝をしていた。 文武両官から討議の報告を聞き、新たな指示を出す。その日常は、フェルライテン渓谷の山荘に滞在している今も、一日も欠かしたことはない。 ヒルダの不器用な抱擁は稚拙ではあったが、皇帝にはその気持ちは通じたようだ。ラインハルトの指がヒルダの髪を優しく梳いた。少し身体を離し、優しくくちづける。 ラインハルトの指がヒルダのブラウスのボタンをひとつひとつ外していく。 #pixiv #Japan #Reinhard - 597 novels found. ヒルダがラインハルトの部屋を出た直後にラインハルトも目を覚ましたのである。 目を覚ました直後にラインハルトは昨夜の事を思い出して数分の間は茫然自失していたが我に帰ると表面上は皇帝の威厳を保つ為に平然としながらキスリングに指示を出した。 Find more works related to #legend of the galactic heroes , #Legend of the Galactic Heroes , #Reinhard , #hilda , #Legend of the Galactic Heroes: Die Neue These , #Bittenfeld , #Oberstein , #Yang/Frederica , #Reinhard von Lohengramm and #Emil The novel "一夜" includes tags such as "銀河英雄伝説", "ヒルダ" and more. 8月29日、カイザー・ラインハルト24才、ヒルダさん23才の時の事件。この日ラインハルトはある暗殺者に狙われ、犯人はあっさり捕まったのですが、その犯人はヴェスターラントの遺族だったのです。 ラインハルトの遺言により、彼女の名において6名の上級大将は元帥に昇進し、既に元帥だったミッターマイヤーは「首席元帥」の称号が与えられる。小説の記述では、その後、亡きラインハルトの路線を継承し発展させていったものと思われる。 能力 ヒルダの表情にらしからぬものを見出したのか、ラインハルトは「青年のように」苦笑した。この方はいよいよもって、子供時代の終わりを迎えようとしておられる。戸惑いの表情を浮かべつつ、ヒルダは心の中で安堵の溜息をもらした。 銀英伝ヒルダ視点による大河もどき小説を書いてましたが150話をもって完結。ハガレン小説も全86話で完結済。 2014年3月から、俳優間宮祥太朗さんのことしか呟けない病にかかりました。しばらくそっとしておいてください…。 ラインハルト×ヒルダアンソロジー告知サイト: 693: 1582: 南秦広&芝ぼーめ: 5/3SCC発行予定のラインハルト×ヒルダオンリーアンソロジーの告知サイトです。 * 138: PA union: 716: 1663: ダル: ポプラン×アッテンボローが萌えるという方のための同盟です!参加自由。 ラインハルトとヒルダのやり取りの中に、単なる上司と部下ではありえない、相手を意識した発言は初期のころから随所に見られますよね。 そういうのはヤンフレの方が皆無と言っていいくらいですよ。 #pixiv #Japan #ライヒル - 73 novels found. 『銀河英雄伝説』(ぎんがえいゆうでんせつ)は、田中芳樹によるsf 小説。また、これを原作とするアニメ、漫画、コンピューターゲーム、朗読、オーディオブック等の関連作品。 略称は『銀英伝』(ぎんえいでん)。原作は累計発行部数が1500万部を超える ベストセラー小説である。 ヒルダは親族の女性と疎遠にしていた。ドレスに身を包み、社交行事に日常を浪費する頭が空っぽなお人形。それはラインハルトの考えとも合致していた。ヒルダはああはなりたくないと思ったし、その価値観もまた夫が好ましく思う点だった。 ラインハルトの鋭い観察眼をもってしても、ヒルダの顔には一切の動揺も浮かんでこなかったのであるから。 「ローエングラム伯。 私をそこまで評価してくださっていることは感謝の言葉もありません。 ヒルダ不在の大本営は深刻なトラブルは起きないが色々と齟齬は発生していた。 臨時に秘書官を任命したのだが、露骨にラインハルトに媚を売る者にラインハルトに萎縮して空回りをする者ばかりであった。 登場人物はラインハルト、ヒルダ。 ... 原作終了後のアレクとヒルダについての妄想二次小説です。14歳のアレクと、38歳のヒルダだけ登場します。普段はブログ(ライヒル中心)で活動しております。 ジークカイザー!ラインハルトさま戴冠式!即位おめでとうございます(だらだら長文注意!) (06/22) ノイエラント行幸にヒルダちゃんを連れて行けないラインハルトさまの心理描写漫画(?) (05/19) お知らせ&ノイエ劇場版に関してあれこれ (05/19) ラインハルトの側近としてのヒルダは、単なる秘書官ではなく、同じ智者として、助言者としても重用されており、ラインハルトの代理人として姉 アンネローゼ・フォン・グリューネワルト 伯爵夫人への説得役を依頼されるまでの信託を受けている。 ヒルダの不器用な抱擁は稚拙ではあったが、皇帝にはその気持ちは通じたようだ。ラインハルトの指がヒルダの髪を優しく梳いた。少し身体を離し、優しくくちづける。 ラインハルトの指がヒルダのブラウスのボタンをひとつひとつ外していく。 普段ヒルダが自分に面会を求めるのは、火急かつ必要不可欠な時だけだという事を既に理解していたからである。 だが、ラインハルトの端正な顔はヒルダの最初の数語を聞いた瞬間に険しいものに変わった … 人生経験からの真っ当な常識論。これもまた帝国首脳部の弱点であった。圧倒的な輝きで、臣下を魅了した皇帝(カイザー)ラインハルト。彼のカリスマに引き寄せられた将帥たちは、その蒼氷色の視線の先にのみ目を向けた。臣下同士の交友関係も、双璧たるミッターマイヤーとロイエンタール以外については、親密とまでは言えなかった。, 友人にも様々な段階がある。半身といえるほどの親友など、普通の人間は持たないものだ。それに恵まれたせいか、ラインハルトはごく当たり前の友人を持っていなかった。たとえば仕事仲間であったり、学生時代からのほどほどに親しい友人、社交辞令を交わす近い年齢の親戚など。これは、ヒルダも一部が共通する。ヒルダは親友さえ持っていなかったのでより深刻だった。, ラインハルトの死後、そのツケを皆で支払うことになった。たとえば、大公アレクの養育を任せられるヒルダの親族がいない。ヒルダは親族の女性と疎遠にしていた。ドレスに身を包み、社交行事に日常を浪費する頭が空っぽなお人形。それはラインハルトの考えとも合致していた。ヒルダはああはなりたくないと思ったし、その価値観もまた夫が好ましく思う点だった。, 周囲から何と思われても、自分の価値は父やラインハルトや、わかる人にはわかっている。ヒルダはそれでいいと思っていたし、マリーンドルフ伯爵令嬢(フロイライン・マリーンドルフ)、あるいは皇妃(カイザーリン)のうちはそれでよかった。, しかし、摂政皇太后ヒルデガルドとなるとそうはいかない。社交の場を敬遠していたヒルダを、詳しく知る者はいなかった。ヒルダも彼らをろくに知らなかった。国家の元首たるもの、わかる人にしかわからない存在であってはならない。国民の一員である上層階級にも顔を向け、自らの言葉を語り、理解してもらわなくてはいけない。ヒルダが最も苦手としていた分野であった。, 伝統的な社会に生きていた者にとって、ヒルダこそが異端児だ。一番冷たい視線を向けたのは、彼女の親族の女性だった。こういう人々こそ、ラインハルトの出自と経歴を決して忘れない。フリードリヒ四世の寵姫の弟、ミューゼル姓の貧乏帝国騎士(ライスヒリッター)。姉のおこぼれで栄達して、皇帝によってローエングラム姓を賜ったことを。そして、自分達を見下していた生意気な小娘のこともだ。せっかく再婚を勧めたのに、それを断った父親の責任でもあると。, そういう二人が皇帝に皇妃になっても、すぐに敬愛と忠誠を捧げられるようにはならない。相手にも、目も頭もプライドもある。見下されていることは日頃の付き合いからわかる。どうしてすぐさま尻尾を振れるか。行動では従う。だが心までは渡さない。フェザーンへの遷都で、貴族はオーディーンに取り残された。, 新帝都への距離、弱体化した経済力は、皇宮への参内をしない格好の言い訳になった。それにマリーンドルフの縁者は、皇室に伺候(しこう)できるような名門ではないので、お手伝いにはあがれないというわけである。, 社交界という絹と宝石で飾られた世界。貴族の女性は、十代半ばからそこを往来する。変化に乏しい社会の、固定化されて蹴落とされたら二度と這い上がれぬ階級。そこは、生家と婚家の安寧を守るために戦う、女性達の戦場だった。自らを披露し、相手を見極め、友人という人脈の砦を築く場。, むろん、それを理解していた者は少数だが、爵位を有する数千人の貴族、彼らの子女はその数倍。百人に一人であっても数百人にはなる。ラインハルトに与した側にその割合は多かった。, そういう人々は、軍部の突出を苦々しく思っていた。オーディーンから遠いフェザーンで、軍人ばかりが集まって戦争をして、故郷たる帝国本土を蔑ろにしている。なにしろ、皇帝の行事にも軍服が我が物顔で闊歩し、皇帝自身も軍服姿である。彼らにしてみれば、パーティーの席に抜き身の剣を並べられているようなものだ。言わば、リップシュタット戦役からの味方だった勢力である。だが、その最高位だったリヒテンラーデ候の一門は厳罰に処された。, そんな背景があるのに、充分に配慮したとは言えない。欠席しても不敬罪だが、下手に出席してもどんな難癖をつけられるか。リヒテンラーデ候一門のような古い家系に、まったく繋がりをもたない家はないのだ。建国の功臣の一人が、一門の女性に関わったせいで左遷されている。あれほどの戦功を建てたのに、それでも皇帝の赦免を得られないのか。そう判断した者たちは、暗澹とした心持ちになった。同じような目に遭わされるなら、せめて故郷で死にたい。そして欠席の返事が届く。, ラインハルトは、招待された貴族の欠席の返事に寛容というか、興味をもってはいなかった。前王朝なら不敬罪覚悟の行為であり、決して欠席の返事などありえなかったものだが。それを知るマリーンドルフ伯も、あえて進言はしなかった。開明的な彼は、これを機に不敬罪の緩和を図り、因習を脱却しようと思っていたからだ。, だが、それは逆効果だった。彼らにとっては、命を賭けて入れた探りだった。マリーンドルフ伯は、慣習に無知な皇帝に告げ口はしないが、オーディーンの貴族らにとりなしもしないと判断をされた。敗者は僻(ひがみ)みっぽいものだ。では、もう我々は不要なのだろう。こちらもフェザーンのことなど知らぬ。密やかに、冷ややかに溝が刻まれていく。, 時間という、ラインハルトが唯一恵まれることのなかった無慈悲なもの。皇帝ラインハルトの治世はぎりぎり二年を越えただけである。傀儡だったエルウィン・ヨーゼフ二世、カザリン・ケートヘン一世の在位の合計とさほど変わらないのだ。, 一方、フリードリヒ四世の治世は三十四年間、ゴールデンバウム王朝の皇帝の平均在位期間の三倍になる。それは決して軽いものではない。, 旧銀河帝国の歴史を振り切るように疾走してきた、新帝国の首脳部にとって、まことに手痛い授業料になった。絶対的なカリスマと武力、半神的なまでの美貌のラインハルトには、口を閉ざして従うしかなかった人々も、乳飲み子を抱えた未亡人にはそのかぎりではない。社交の網を編みあげていた貴族の女性は、情報の収集能力が高い。彼女達は、ヒルダには軍を動かすことはできないと見抜いていた。, ラインハルトの戦いへの高揚と覇気が言わせた、実に彼らしい一言だった。これは、共に戦場を往来した将兵たちの士気も大いに高め、皇帝万歳(ジーク・カイザー)の歓呼をもって受け入れられた。しかし、綸言汗の如しとはよく言ったもので、彼亡き後は、これがローエングラム王朝開祖の皇帝ラインハルトの遺訓ということになる。, 意地の悪い言葉が囁き交わされた。だがこれ以上なく正確な洞察だった。 弟が言ったことを耳にしたアンネローゼは、ヒルダに詫びたものである。, ヒルダは頷くしかなかった。絹と宝石の戦では、到底勝負にならない。そんな自分が、鋼と炎の戦を取り仕切れるはずもなかった。貴族とて伊達に五百年近く権力闘争をしてきたのではない。ラインハルトの武断ぶりに息を潜めていても、彼の死により息を吹き返そうとしていた。, 七元帥の若造どもを焚きつけたらどうか。おあつらえ向けの単細胞がフェザーンにはいる』, 一方、もう争いはこりごりだという人々もいた。 戦争戦争でこれ以上国土が荒んでいくのは困る。そして、復興には我々からの税金も使われるのだ。生きていられる代償としてなら支払うのは我慢しよう。だが無駄遣いされるのは許せない。, ヴェストパーレ男爵夫人マグダレーナの警告は、実はかなりの計算が裏に働いていたものだし、彼女もそれを見抜き、納得づくで行ってもいた。マグダレーナも貴族の一員として、自分と家門と領土領民への責任を負っている。ヒルダやアンネローゼへの友情はあるが、それだけでは生きてはいけない。, ヒルダにはわからなくとも、アンネローゼにはそれで充分だった。彼女は甥の養育に専念することを決心し、フリードリヒ四世の最晩年の伴侶として、残っていた貴族の慰撫(いぶ)に乗り出した。そうでなければどうなっていたことか。放置しておいたら、充満した怒りと陰謀で、帝国本土や七元帥も割れていただろう。, 爵位を持つ貴族だけの問題ではない。その下には貴族の家門を形成する末端、帝国騎士階級がいる。彼らの多くは帝国の文官になっていたから、旧都オーディーンがとんでもないことになるところだったのだ。ハイドリッヒ・ラングの台頭に、賊軍と呼ばれた者に連なる帝国騎士の文官らは戦々恐々としていた。いつ、その薄い血脈に言いがかりをつけられるか知れたものではない。彼らのなかには、懐に辞表と妻への離縁状、子供への遺言状を忍ばせて、出勤していた者さえいた。その緊張が続けば、軽くはサボタージュ、または情報テロに走ったかもしれない。アンネローゼの提案は、それを未然に防止したのだ。, 人の心、人の営み。それは星の海からは見えない。真空を越えては伝わらない。地上に降りて、目の当たりにし、耳へと届く。強く美しいものより、辛く、悲しく、醜いもののほうがずっと多い。でも、それが人間だ。, ラインハルトは眩い輝きで、人間の卑小さを忘れさせてくれる、夢を見せてくれる存在だった。人間とは、かくも美しく若さと才能に溢れ、雄大な構想を持ち、意のままに羽ばたくことができるのか。それがラインハルト・フォン・ローエングラムの力。皆がそれに焦がれ、争って忠誠と献身を捧げる。五百年近い閉塞と停滞に、飽いていた若く才能ある人々は、その旗に集い疾走したのだ。, しかし、斜陽に暖をとり、まどろんでいた老いた弱きものにとって、砂漠の酷暑に放り出されるのに等しかった。フリードリヒ四世の治世は、ラインハルトが親友に吐き捨てたように、無能が罪悪とはされない社会だった。皇太后ヒルダも、帝国政治機構の構造改革を着手するにあたり、大胆な人事転換を行おうとした。首を横に振ったのは、アンネローゼだった。, 才能の多寡、性格で人を量り、基準を満たせぬ者を切り捨てる。その思想は、突き詰めるとルドルフに辿りつく。アンネローゼに諭されて、ヒルダは慄然とした。ラインハルトの臣下に、無能者はいない。つまり、そういうことだったのではないかと。ヤン・ウェンリーに固執し、その亡き後は軍を返した。あそこで、後継者らと講和を結べば、流さなくてよかった血がどれほどあったろう。その進言をこそヒルダは怠っていた。好敵手を失い、消沈するラインハルトしか見ていなかったから。, そういう人によりそい、育てる方法を取り入れることを面倒だと思ってしまったからです。, やはり、自分はラインハルトの輝きにばかり目を向けていた。その影を歩んでいた人もまた、大きな役割を果たしていたのだ。太陽が照りつける昼間だけの世界に、人は生きてはいけない。熱を冷ます夜も必要だった。, ヒルダもラインハルトの覇業の全ては知らなかった。彼にとってヒルダの進言は、ほぼ出来上がった料理のスパイスの一振り、淹れられた珈琲に加えられる砂糖とクリームのようなもの。それを知って溜息が出た。, ラインハルトの構想を、まとまった形で継承した生者はいない。彼の頭脳は、書き散らしたメモワールなどを必要としなかった。早くに帝国の実質的な最高位に就いたため、上官に宛てた親書なども。それで困るのだ。, こと、情報の保存と公開性という点では、帝国は新旧いずれも旧同盟に遠く及ばない。かの国とて、政府の報道にはふんだんにバイアスが掛かっていたが、複数のメディアの存在が、批評や反対意見を全土に伝えた。, 帝国の報道機関は、国営放送のみだ。寄らしむべし、知らしむべからずというゴールデンバウム王朝の姿勢は、戦火の悲惨さを覆い隠し、叛徒の討伐という部分だけを貴族や平民に教えていた。それも帝政のための方便だったから。ラインハルトの戦いは、圧倒的な勝利が続き、期せずしてそれを踏襲した。戦勝に次ぐ戦勝、それにはまったく嘘偽りはなかった。, ただひとり、ヤン・ウェンリーなる叛徒の首魁のみが、それに抗ったが所詮は多勢に無勢。その無勢で、多勢の中心核を衝(つ)いてくるのがヤンの恐ろしさだったが、彼に命令を下す同盟政府を、服従させるのは遥かに簡単だったのだ。戦争は黄金の有翼獅子(グリフォン)を飾る、真紅の彩りにさえ見えた。, だが、一兵も損なわぬ勝利もない。少なからぬ帝国の死者、はるかに多い同盟の死者。遺された者たちは、仰ぐ旗が違っても同じように嘆き悲しむのに。, 地上からは見えない。ダゴンの会戦の最初の砲火の輝きも、百五十光年分しか星の海を進んでいない。六千光年以上を隔てたオーディーンには、あと四十倍の年数を経ないと届かないのだ。真空の中は無音の世界だ。艦艇が爆散する時の、兵士らの断末魔も愛する者を呼ぶ声も、ただただ虚空に吸い込まれる。, そのことを貴族らは知らなかった。ラインハルトの宇宙統一の真実の価値を。百五十年ぶりに宇宙から戦火が消えたことを。. ヒルダが彼の名を出し、寂しげな顔をしたのだ。 「キルヒアイスでなければ、ラインハルトを翻意させられない」と。 それは裏返せば、ヒルダ自身がその立場に身を置きたいということの表れではないだろ … Find more works related to #legend of the galactic heroes , #Legend of the Galactic Heroes , #hilda , #Kircheis , #Oberstein , #Legend of the Galactic Heroes (yaoi) , #fan work , #Legend of the Galactic Heroes: Die Neue These , #Reuenthal and #Siegfried Kircheis ヒルダの言うのも最もだ。ラインハルトは軽く息を吐き、 「判った。今の書類が終わったら一緒に寝室に戻ろう」 この『一緒に』と言える事がラインハルトにとって大進歩なのだが本人は気付いていない。
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